フィーネ・ミルクェントは居場所の喪失を死だと言いますが、我々の死は、誰の記憶にも残らないことです。 絵描きのウィルヘンは我々を知り、世界を与えてくれますが、彼はフィーネ・ミルクェントと違い、他人に見せることへの関心があり […]
ありがとう、僕の親愛なる友達。たとえ君達が異端視される空想の存在であったとしても、事実、僕の傍にいたのは君達です。 僕の夢見る、もしかしたらの先を、君達は見せてくれますか。僕を受け入れてくれるでしょうか。そう願いながら、 […]
君達は額縁の中で生きる、非常に脆い人形である。 君達が望むならば、私は翼でも家でも恋人でも描き添えてやろう。しかし結果、私が愛せない紙一枚になった時には、君達にはまた死んでもらわねばならない。 君は何度目の君だ?君は何回 […]
「しばらく見ない間に随分年を取ったね」そう言ってやると、存外満足気に微笑んだ気がした。部屋を見渡せば、彼の遺した星々が瞬いてくる。生意気め。それなら今日はこの夜を巡ることにしようか。弟の明けぬ夜。絵の夢中を。(2024/ […]
僕を見つけたね。ずいぶん待たせたじゃないか。ずっとそばにいたよ。君が見ようとしないだけで。だって君は僕で、僕は君なのだから…。あの絵は才能を食らう絵なんだ。そう、才能だけだ。魔女に魅せられたあの日から、君はメルヘンこそ失 […]
(2023/03/07) favorite0いいね送信中です
屋根裏部屋のアトリエで、「魔女」は創造する。星が巡る場所で、猫ならざる猫は鑑賞する。額縁の向こう側で、姉が問いかける。この絵を描くなら、絵の具は何色?(2022/11/15) favorite0いいね送信中です
絵描かれるものは世界に在るもの。普通、無いものは絵描けない。空想を絵にするなんて、そんなこと、誰も許してはくれなかった。体は奪われたけれど、それでも、絵の中は自由だった。ここにしか居場所がないの。(2022/07/15) […]
私の穏やかな寝室(2022/04/13) favorite0いいね送信中です
絵描きに引きずり出された「魔女」は、額縁の外では生きていけませんでした。どろどろとした夜空とともにこぼれ、そのまま、夜に溶けていくようでした。(ダメよ、この中に世界なんてない!ただの「魔女」しかいないのに!)向こう側に魅 […]
「僕が魔女を見れるなら、魔女も僕を見れるよね。」空っぽの額縁を眺めながら、今もどこかの額縁にいるメルヘンに思いを馳せる。僕はずっとここにいる。見つけておくれよ、僕を…。(2021/11/20) favorite0いいね送 […]
鑑賞者たち。ロープパーテーションは、視線の前に成す術もなく。無数の好奇の目が無邪気に立ち入るのです。沈黙。わたしは何も語らないのに。あなたたちは「魔女」を語るというの。干渉者たち。(2020/11/21) favorit […]