絵描きの双子

「しばらく見ない間に随分年を取ったね」
そう言ってやると、存外満足気に微笑んだ気がした。
部屋を見渡せば、彼の遺した星々が瞬いてくる。生意気め。
それなら今日はこの夜を巡ることにしようか。
弟の明けぬ夜。絵の夢中を。
(2024/05/30)

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