無題からの手紙

フィーネ・ミルクェントは居場所の喪失を死だと言いますが、我々の死は、誰の記憶にも残らないことです。

絵描きのウィルヘンは我々を知り、世界を与えてくれますが、彼はフィーネ・ミルクェントと違い、他人に見せることへの関心がありません。
我々は彼が忘れてしまえば、簡単に死んでしまう。
脆い存在です。

ですから、これを読んだ貴方。
どうか我々を忘れないで。
ここに在ったことを覚えていて。
ウィルヘンという絵描きがいたことを、知っていて。

この場所が貴方の思い出になることを、
我々は願っています。
(2024/10/22)

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