ウィルヘンの魔法

僕に何よりも近く、だけれど、最も届かない世界でもある。
この世界は僕以外、誰も知らない。僕が語らないから。
いつか僕が語る時が来るならば、
誰かひとりでも、夜空に星を見つける人がいるだろう。
星を見つけた人の心に、物語が生まれていくだろう。
僕は星を撒くように世界を綴り、残していく。
それしかできない。それ以上はない。心許ない、脆い魔法なんだ。
(2020/03/13)

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